01深さ 0 km / 出発点

写真で見えるのは、地球の外側。

最初の写真では大陸、海、雲の輪郭を追えます。しかし青い球体が写っていることと、その内部が見えていることは別です。地球の断面図へ進む前に、直接写った表面と、測定から組み立てる内部モデルの境目を置きます。

外側の地殻は、地球全体の大きさに比べると薄い層です。海の下と大陸の下で厚さが違うので、地表のどこからでも同じ深さで次の層に入る、という階段にはなりません。以下の図の地殻35 kmは、縮尺を読むために選んだ代表例です。

地殻・マントル・核は、主に物質の違いで分けた層です。一方、プレートを構成するリソスフェア(岩石圏)は、変形しにくい外側の部分を指し、地殻とマントル最上部を含みます。地殻の底が、そのままプレートの底になるわけではありません。層の名前を読むときは、組成を分けているのか、変形のしやすさを分けているのかも確かめます。

アポロ17号が撮影した地球。アフリカや雲、南極が見える
実観測写真アポロ17号の撮影記録

1972年12月7日のアポロ17号写真 AS17-148-22727。見えているのは地球の表面や雲で、内部を透視した画像ではありません。ここを出発点に、図解と観測の根拠で内側へ進みます。

図版の条件を見る原画像の全画角と縦横比を維持し、横長の余白を追加。WebP縮小のみ。生成・色変更なし。
提供:NASA / Apollo 17 crew / 原資料 ↗ / 利用条件 ↗
この図版の根拠[photo] NASA — The Blue Marble
02地殻の下 → 深さ約2,900 km

最も厚い岩石の層へ。

地殻の下にはマントルが続き、その底は深さ約2,900 kmにあります。ここを巨大な空洞や、どこまでも続く溶岩の海として想像すると、層の性質を取り違えます。高温でも、大部分は固体の岩石です。

全体図では一つの色で描きますが、マントルは完全に同じ性質の岩石が詰まった箱ではありません。深さによって鉱物や振る舞いが変わります。まずは岩石の層と金属を主とする核を区別し、マントルの流れ方は別の記事で詳しく読みます。

表面から中心までを、同じ深さの縮尺で。
SURFACE → CENTER

岩石の層から、
金属の核へ。

円:中心から外側への半径
帯:表面から内側への深さ
どちらも同じ境界から描いています。
層の深さと物質の状態(地表基準)
層 / 深さ状態と読み方
地殻0–35 km固体の岩石35 kmは代表例。海洋・大陸・山脈で厚さは異なります。
マントル35–2,885 km大部分が固体底は約2,900 km。上部・下部などの内部区分は省略。
外核2,885–5,155 km液体・金属を主成分区切りの深さは教育用参照モデルの近似値です。
内核5,155–6,371 km固体・金属を主成分最後の6,371 kmが中心。内核の厚さではありません。

Purdue Universityの教育用深度モデルを参照。円は中心から各境界までの半径、帯は表面から内側へ測った深さを同じ長さの縮尺で示し、体積比ではありません。色は層の識別用で、実際の色・発光・温度分布を示しません。地殻の35 km以外も全地点共通の厳密な境界ではありません。

03深さ約2,900 km → 中心

液体の外核の、その内側に固体がある。

核は主に金属からなる領域で、外核は液体、内核は固体と理解されています。地球の中心へ近づくほど熱いから全部が液体になる、という単純な順番ではありません。物質が溶ける条件には、温度とともに圧力や組成が関わります。

ここで言う固体の内核は、歩ける冷たい床を意味しません。地球内部の図は、人が通れる空間を切り開いた旅の記録ではなく、物質の状態と境界を読む模型です。表の固体・液体は、その状態の違いとして読み取ってください。

04地表の観測から内側へ

届く波、届きにくい波が、内部を教える。

地震の波がさまざまな観測点へ届く時刻や伝わり方を調べると、途中の物質や境界について手がかりが得られます。圧縮と膨張が伝わるP波は固体と液体を伝わりますが、せん断の変形が伝わるS波は液体中を伝わりません。外核が液体であることを調べる際の重要な違いです。

波が届かない方向があることを、そのまま内部の空洞の証拠にすることはできません。波の種類、曲がり方、通った経路を合わせて考える必要があります。内部の模型は一枚の波形の印象で決めず、多くの観測と物質の実験に照らして組み立てます。

風景ではなく、伝わり方から内部を読む。
  1. 01
    観測

    各地の地震計で、波の到着時刻や波形を記録する。

  2. 02
    照合

    経路と、固体・液体での波の性質を比べる。

  3. 03
    推定

    観測を説明できる層構造や物質の状態を検討する。

  4. 04
    確かめ直す

    岩石・高圧実験など別の手がかりとも整合するか調べる。

手順を単純化した説明図。個別の地震データから計算した断面や波の軌跡ではありません。
観測 / 説明 / 未解明

見えたことと、推定したこと。

写真と測定から得たこと、説明に用いた前提を整理します。

観測・資料から分かること

  • 地表では地震波の到着時刻・波形を測定できます。
  • 岩石や鉱物の実験は、圧力・温度と物性の関係を調べる手がかりになります。
  • 層の区分と物質の状態は、観測と実験を総合した科学的モデルです。

説明に加えた処理と前提

  • 冒頭は表面の写真。内部の層はHTML/CSSで制作した説明図です。
  • 断面の色は区分のための配色で、内部を撮影した色ではありません。
  • 地殻35 kmと境界深度は説明用の代表・参照値。地域差や細かな構造は省略しています。

この資料だけでは決められないこと

  • 核に含まれる軽い元素の種類や量、内部の細かな構造には研究課題が残ります。
  • 観測点や波の経路によって、内部を推定できる細かさは変わります。
根拠をたどる

参考資料・出典

写真の条件、観測の方法、推定の範囲を原資料で確認できます。

  1. photoNASA — The Blue Marble ↗確認:2026-10-04
    使用:冒頭の地球写真、撮影日・画像識別。
  2. insideUSGS — Inside the Earth ↗確認:2026-10-01
    使用:地殻の厚さの違いと岩石・金属、外核と内核の区分。
  3. mantleJAMSTEC — マントル掘削への挑戦 ↗確認:2026-10-04
    使用:マントルの範囲と固体の変形、地殻から核への区分。
  4. structureJAMSTEC — マントル深部由来の玄武岩に炭酸塩の痕跡 ↗確認:2026-10-04
    使用:マントルの深さと内部区分。
  5. scalePurdue University — Exploring the Earth’s Interior ↗確認:2026-10-04
    使用:縮尺図の参照深度:地殻35、核境界2885、内核境界5155、中心6371 km。組成の区分と力学的な区分、プレートに含まれるマントル最上部。
  6. wavesUSGS — P-wave and S-wave paths through the earth ↗確認:2026-10-04
    使用:P波・S波と液体外核の説明。画像の転載はしていない。
  7. tomographyEarthScope — Seismic Tomography ↗確認:2026-10-04
    使用:複数の地震波経路から構造を推定する観測の考え方。
  8. core-experimentJAMSTEC — 地球中心部の状態を実験室に ↗確認:2026-10-04
    使用:圧力と温度を組み合わせた物質実験、核の組成に残る研究課題。
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